「付き合ってくれるの?」彼の返事は…
翌日、予告通り彼を呼び出した彼女。私にもついてくるよう目配せしてきました。そして、人気のない廊下に出ると……彼女は突然、彼に抱きついたのです! そのまま彼越しに私を見てニヤニヤしながら、彼の顔に自分の顔を近付けて……。
「私……最近ずっと悩んでいることがあるんです。私のせいで近くにいる大事な人を苦しめているみたいで……」としおらしく言う彼女。すると彼は、抱き着く彼女をはがしつつ、「あぁ実は俺、気づいていました。あなたがずっと悩んでいるって」と答えたのです。
「それって……私と付き合ってくれるっていうこと?」と言う彼女。彼は「心配ならお付き合いしますよ、今日の終業後でもいいですか? 予約しておきます」と答え……彼女は「うれしい! ありがとう♡」と彼の手を取りました。
私は目の前で繰り広げられるやりとりにビックリ。もしかして、本当に私はフラれてしまったということなのでしょうか。でも、話が噛み合っているようで噛み合っていないような……と、私の中で不安が渦巻いていました。すると、スマホに彼からメッセージが届いたのです。
ふたりが向かった先は…
見ると「終業後に俺の兄さんの職場に彼女を連れていくよ。君も仕事が終わったらおいで」というもの。「彼は一体、何を考えているのだろう……」と思いながらも、終業後、2人を追って彼の兄の職場へ向かいました。
すると、目的地の入り口で話している彼氏と同僚女性の姿が……。
「こちらです。俺の兄、耳鼻咽喉科の医師をしていて。あなたの診察予約をしておきましたよ!」
「は? 耳鼻咽喉科……? 予約って、レストランとかじゃないの……?」
「え? 口臭について悩まれているんですよね。俺も気づいていましたよ。周りの人を苦しめているんじゃないかって心配されていたくらいだし。兄が勤める病院では口臭の相談もできますし、一度、受診してみましょう」
彼の兄は耳鼻咽喉科の医師。彼が連れてきたのは、彼の兄が勤めるクリニックだったのです。
「わ、私の、く、口が、臭いって!?」と恥ずかしさで真っ赤になり、ぶるぶる震え出した彼女。そして、「うぅ……うわぁぁあああああんっ!」と大号泣しながら、私の横を走り去っていきました。
彼女の号泣に彼はハテナを浮かべています。どうやら彼は彼女からのアピールをまったく意識していなかった様子。彼女から顔を近付けられるたびに顔を背けていたのは、彼女の口臭がひどかったからなのだとか。そして、同じ営業職として、真剣に彼女の口臭を心配していただけだったようなのです。私はこのとき、「そうだった、彼にはちょっと天然なところがあったんだった……」と再確認したのでした。
翌日、彼女はマスク姿で会社に現れました。きっと枕を濡らしていたのでしょう、目も真っ赤に腫れてしまっています。彼女はこの一件以降、すっかり自信をなくしてしまったようで、大人しく仕事をするようになったのでした。
私はというと……その後も彼とは順調に交際を続け、2人で結婚を見据えて話を進めているところです!
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