私からのサプライズ
驚きの事態を兄に説明すると、彼はスマホを取り出して誰かに電話をかけました。すると、新郎新婦の側にいた式場のスタッフが私たちのところへ。兄は旅行会社を経営している関係で、この式場にも顔が利くようでした。
「申し訳ないけど、少しだけ時間を取ってほしい。サプライズでスピーチをしてくれる方がいらっしゃったとご案内して」
兄はそう言ってスタッフに頼み込み、私の肩をポンとたたきました。
こうして私は突如スポットライトを浴びながら、めでたい式の中央へと向かいました。新郎新婦は、マイクを持った私を見て顔面蒼白。
「本日はご結婚おめでとうございます! 私はついさっき知ったのですが、新郎のご両親もご出席のようで、お体はもう大丈夫ですか?」
私の言葉に元婚約者の両親は目をぱちくりさせていました。
「私は彼から、親が大病で田舎に帰るから別れよう、とわずか数週間前に言われたので、とても心配しておりましたが…。おまけに、婚約者に振られた私をなぐさめてくれた親友が、まさかその彼と結婚とは。驚きですね」
社内にも挙式の話が広がり…
挙式は私の短いスピーチで大荒れに。親族や友人に、親が病気だと嘘をついて婚約破棄をしたこと、2人で私を騙していたことがバレ、2人は総スカンでした。海外挙式に大枚をはたいた挙句、白い目で見られながらすごすごと帰国していったようです。
さらに元婚約者は、挙式に呼んだ同僚たちからこの話を社内で広められ、肩身の狭い思いをしているのだとか。彼女のほうも、共通の友だちはみんな私の味方になってくれたため、仲間内で孤立。
一方の私は、完全に立ち直りました! しばらく仕事に夢中になっていて、気付けばあれから数カ月。今度はもっと大きなプロジェクトのリーダーを任され、忙しくも充実した日々を過ごしています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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