
結婚生活が長くなると、日々の暮らしの中で、いつの間にか家族みんなにとっての“小さな恒例行事”が生まれることがあります。わが家の場合、それは夫のひげ剃り後に始まる「毛抜きタイム」です。最初はただの身だしなみチェックだったはずが、いつの間にか子どもたちも楽しみにするイベントになっていきました。
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アラフォー夫のひげ剃り
アラフォーの夫は、とにかく毛深いタイプです。朝にひげを剃っても、夕方にはうっすら青く見えるほどで、夫にとってひげ剃りは毎日の欠かせない作業になっています。
私はときどき、剃り残しがないかチェックを頼まれるのですが、どうしても本人では処理しきれない場所があります。
それが、首の後ろに1本だけ生えている毛と、耳まわりに目立たず生えている数本の毛です。見えにくく手も届きにくいため、最後は私が毛抜きで整えるのがいつもの流れになりました。
1本抜くだけで大騒ぎする夫
問題は、その毛抜きの時間です。夫は痛みに弱く、ほんの1本抜くだけでも、まるで罰ゲームを受けているかのようなリアクションをします。毛抜きを向けただけで肩に力が入ったり、抜いた瞬間には思わず顔をゆがめたり、声にならない声を漏らしたりするのです。
最初のころは申し訳ない気持ちになり、そっと抜いていました。けれど、毎回あまりにも大きく反応するため、だんだん家族みんなでクスッと笑ってしまうようになったのです。
すると、小学生の長女がいつの間にか「今日は抜くの?」と見学に来るように。そしていつからか、夫の反応を見て笑うのが、わが家ではちょっとしたお決まりになっていったのです。気づけば、夫の身だしなみチェックが、家族で過ごす和やかな時間のひとつになっていました。
毛抜きは「みんながいるとき」に
ある日、娘が学校に行っている間に、さっと夫の毛を抜いてしまったことがありました。夕方、その話をすると、娘は少し残念そうな顔をして「最近、パパの毛抜き見てない」と言ったのです。そして、娘から「今度は私がいるときにして!」とまさかのクレームが入りました。
それ以来、わが家では休日など、家族がそろっているときに毛抜きをすることが増えました。夫は相変わらず痛そうな表情を見せ、子どもたちはその様子を見て笑い、私は淡々と整える係です。すっかり流れが決まり、今では自然と「わが家の恒例行事」のようになっています。
まとめ
毎日のひげ剃りという、なんでもない習慣から生まれた毛抜きタイム。夫にとっては試練かもしれませんが、家族にとっては笑いが生まれる大切な時間になっています。年齢を重ねて増えていくのは、白髪や耳毛だけではなく、こうした何気ない思い出もなのかもしれません。
著者:大野肉美/40代女性・2015年、2019年生まれの女の子を持つ母。趣味はK-POPや音楽活動。日常生活のクスっと笑えるエピソードを読んだり聞いたりするのが大好き。モットーは「一日一笑」。
イラスト:わかまつまい子
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